本日は私の拙い詩です。






   冒険



街が眠りについたらゆこう

銀の小舟で夜の街を

抜け出そう


赤い花びらも

青い花びらも

いらない


冒険しにゆこう

ただ夢を求めて

輝きを求めて

遠くの星を目指してゆこう


さざめく星たちは何をまっている?

煌々と輝く月は何を望んでいる?


あなたは何が欲しいの?


答えを求めてゆこう

あなたを受け入れてくれる

世界があるはずだから

諦めないで

勇気を持って

旅立ってゆこう


街の明かりが点く前に

人々が気付く前に

早くゆこう


そうして美しい光の珠を

見つけよう


街が起きたら

何かが変わっているかもしれない

世界が、

思想が、


素直に行動しよう

そうして

夢見てゆこう





暗い詩が多いですが、明るいものも一応は書けるのです(笑)






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テーマ : 詩・ことば    ジャンル : 小説・文学
 2019_12_31



今日は読んだことのある小説の感想。

あくまでも独自の思いですので。

ネタばれあります。お気をつけ下さいませ^^






   ★妖奇切断譜



      作者:貫井 徳郎


〇あらすじ


戊辰戦争の傷跡癒えぬ東京で、美女ばかりを描いた錦絵が評判を呼んでいた。だが、描かれた女がバラバラ死体で、それもなぜか稲荷で発見される事件が続発、町に恐怖が広がる。元公家の九条は捜査に乗り出すが、非道の犯行は止まらない。困惑した九条は病床の友人、朱芳の頭脳に望みを託す。





以前にも乗せた、九条&朱芳シリーズの第2段です。

そして、またしてもタイトルがすごい(笑)

ミステリーというよりも、ホラーな感じの題名ですが・・・内容はしっかりミステリー。

前作の「鬼流殺生祭」もインパクトのある話だったけど、今回もすごい。この時代背景でしかありえない内容。

女の執念って、本当怖い。念じるだけで本当に呪ってしまいそうだ。美人なだけに、内に秘めた思いとかプライドとかが半端ない。更にお家柄が良すぎるともっと恐ろしい。

自分のことよりも家柄重視。明治や昭和初期の頃はその意味のない思想が最も大事なことだったのでしょう。女であっても。

梅毒という病気は今でもあるのだろうけど、もう治らない病気ではない。でも当時は死の病。


前回の話が、「因縁」であれば、今回のは「執念」といった感じかな。時代背景が織りなす、心理的なミステリーは面白い。





テーマ : 推理小説・ミステリー    ジャンル : 本・雑誌
 2019_12_30



昔書いた詩です。






  いろ



あなたの心のいろは

なにいろですか

かわいらしい桃いろですか

さわやかな青いろですか

情熱のある赤いろですか


わたしにはまだ

いろがありません

白でもない

黒でもない

茶でもない


夢がある人は

澄んだ青

希望がある人は

真っ赤に燃えるような赤


わたしには

なにがあるだろう

みな己に

誇れるものを持っている


わたしはなにを

求めているのだろう


あなたの心のいろは

なにいろですか

わたしの心にも

燈(ともしび)を下さい


あなたには

あなたいろが

わたしには

わたしいろが


それがいろというもの


わたしはなにいろに

なってゆくのだろう

美しいいろを

つけてゆきたい

誰もが羨ましがるいろを

どんな人にだって誇れるいろを

愛されるいろを


いろは心の模様

その模様を見つけるため

わたしは生きてゆくのです





いまだに自分は何色なんだろうと悩む。

みなさんはどんな色なのでしょう。





テーマ : 自作詩    ジャンル : 小説・文学
 2019_12_29



大好きなサザンの曲紹介を。





   思い過ごしも恋のうち (1979)



         作曲・作詞:桑田佳祐




たまに会ってる様じゃ

おたがいの事 分かりはしないだろう

信じられないね

ほれて名を呼び 思いをはせる女

涙ぐみ 酔いしれる気持


だから言ったじゃない

心に残る言葉を言わなけりゃ

どうにもならないよ

忘れようにも忘らりょか いつの日も

耐えてなおさら狂える 燃えさかる


男は立てよ 行けよ女の元へ

背中がうずく時がかんじんなのね


あっそう あっそう思い切り そげなこと

できりゃ うれしや 夜も昼もいつも恋は楽し


思い過ごしも恋

それでもいい 今のうち

思いこんだら もう

夢見るようで いたいから


たまに会ってる様じゃ

おたがいの事 分かりはしないだろ

信じられないよ

ほれて名を呼び 思いをはせる女

涙ぐみ 酔いしれる気持


男は立てよ 行けよ女の元へ

背中がうずく時がかんじんなのね


いやだ いやだ だめよ だめ そげなこと

はずかしげなく

どいつも こいつも話しの中身が

どうなれ こうなれ 気持ちも知らずに


思い過ごしも恋

それでもいい 今のうち

思いこんだら もう

夢見るようで いたいから


別れ話はミズリー(Misery)

昔話は History

次の日もおもいきり

しゃぶりつくように Patiently


思い過ごしも恋

それでもいい 今のうち

思いこんだら もう

夢見るようで いたいから・・・





サザンではないけど、コピーバンドの方の映像があったので。

結構歌も巧いですね。






映画『彼女が水着に着替えたら』の挿入歌。
もともと3枚目シングルの予定で製作されていたこともあり、「勝手にシンドバット」や「気分しだいで責めないで」と似た曲調。
もともと桑田さんは、曲先タイプらしいので、この当時のものは特に詩はあんまり重視せずに、とにかく曲に合った言葉をのせていたとのこと。
耳馴染みがいいというか、すんなりと曲と歌詞が相まっているという印象。テンポもいいし。
昔の歌好きです。





テーマ : サザン    ジャンル : 音楽
 2019_12_28



町田でランチしてきました。
いい店見つけちゃった!
こじんまりしてて、店員さんの雰囲気も良くって、料理も美味しい。
「マフィン&ボウルズ カフェ カップス」という、マフィンがメインのカフェです。
場所は町田駅から歩いて、7分くらい?
町田ターミナルプラザにあります。バスターミナルがあるとこ。
平日、11時に行ったからなのか、お店も空いてて。のんびりと食事ができました。



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マフィン&ボウルズランチ。

女性には嬉しいヘルシー的なメニュー。
しかも好きなマフィンをひとつ選べる。
写真では分からないけど、サラダの下は雑穀米なのです。
マフィンもすごく美味しかった~💛



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飲み物はあんずティー。
この店、ハーブティーとかも結構種類があるみたい。
次回はランチではなく、お茶しに行きたいと目論んでいます^^



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お冷もハーブティーで美味しかった!
お代わりしちゃった(笑)
おしぼりの袋もなにげに可愛い( ´艸`)








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店内はこんな雰囲気。
まあ、女性向けって感じかな。
町田近い方にはお勧めです^^




テーマ : おいしいお店    ジャンル : グルメ
 2019_12_27



さて、昨日の続きを。

本当に拙い話なので、お暇な方のみ読んで下さいませ^^






 
 ある晩、その日はたいそう風が強かった。閉め切った戸の隙間から冷たい疾風が入って来、身震いを起こすほどであった。
「おお、今日は寒いな」
与作は冷えた手を囲炉裏の火にかざしていた。すると、とんとん、とんとんと戸を叩く音が聞こえた。
 はて、このような時間に誰だろうか、どなたですか?
尋ねると、戸越から女の声がした。
「ごめん下さいまし。このような酷い風で、一晩泊めて下さいませんか」
若い声だった。与作は今開けますと言いながら、ふと連日起こる奇怪な火事事件を思い出し、これを開けてもよいものかと迷ったが、ええい、これも仏の思し召しと精魂を据え、戸を思い切り開けた。途端、与作は息をのんだ。絶世の美女とはまさにこのような女人のことをいうのかも知れないと思うような、美しい女がそこにはいた。
 女は申し訳ございませぬ。どうか、泊めさせて下さいと丁寧にお辞儀をする。
一瞬時が止まったかのようであった与作は、ひゅうという冷たい烈風で我に返り、ええ、どうぞどうぞと女を家の内に入れた。
女の名はお絹というらしい。与作は夕飯時に作った芋粥をさあ、これを食べれば少しは温まるだろうと勧め、お絹もそれを有り難く受け取り、するすると食べ始めた。その食べている姿もなんと美しいことか。これがまこと女、いや同じ人間だろうか。まるで狐か狸が化けたようじゃ。
与作はお絹の芋粥を啜っている姿にうっとりとするが、やはりこれがもしや、と思う。だが、いまさら追い出すわけにもいかず、いやこれは本当なのだと考えを改たにして、与作はその疑いを忘れるため四方山話を始めた。

 「お絹さん、どこから来たんだね?」
「土佐です」
「ほう、土佐からおひとりで? そりゃ、大変だったろう。ああ、ゆっくり食べて下さい。で、これからどこへ行くつもりで?」
「分かりませぬ」
「分からぬとは?」
「本当に分からないのです。・・・住む家を失ってしまったので。これからどうしたらよいのか・・・」
「家を? それはそれは、お気の毒に。それで旅をしているのですな」
「はい・・・」
「この辺もめっきり怖くなって、いや、実は火事が頻繁に起こっているんです。それも立て続けに。それで住む家をなくしたものが増えました」
「まあ、そうですか」
お絹は食べ終えたお椀を置き、箸をきちんと揃えてお椀の上に置くと、
「ご馳走になりました。ところで、この辺に霊山寺があると聞いたのですが・・・」
「ええ、ええ、ありますとも。それ、川を隔てた向こう側に。残念なことにここからは見えんが・・・」
「そうですか」
「霊山寺がなにか?」
「いいえ。ただ多宝塔を建てているという噂を聞きましたので」
「なるほど。ええ、その通りです。今建てている最中でね。まだ完成するには時間がかかるが、ほれ、これを見て下され。すごいまめでしょう。動かそうとすると、先の方から痺れて痛む。今日のような寒い日は特に痛む」
「なら、止めてしまえば」
「そういうわけにはいかんよ。こんな有り難いお仕事をさせて頂いてるんじゃ。本当なら、わしみたいなものには勿体ない話じゃ。確かに手は酷いものだが、誇りに思っている」
「その多宝塔のせいで、誰かが犠牲になっているとしても、あなたは同じように誇りをもっていると言えますか」
与作は突然冷たい目つきになったお絹を見て、ぎょっとした。お絹はわなわなと小刻みに震えている。それはただ寒いだけではないらしい。

 「多宝塔のせいで? いやいや、そんなことはない」
「いいえ。それはあなた方が知らないだけのこと。住む家をなくした家族がどこかで泣いているかも知れない・・・」
与作は、はっとした。そうか、やはりあの洞穴。あれは棲家だったのだ。
「ひょっとしてお絹さん。あんた、あの洞穴に棲んでいたものかね?」
「そうです。私はあの欅の大木の下に棲んでいた狸です。私は、いえ私たち家族はあなたの言う有り難い多宝塔の性で棲む家を失ったのです」
「そうか・・・。そうでしたか。それは済まぬことをしました。しかし知らなかったのです。あそこが棲家だったとは」
「人間とは本当に自分勝手に作られているものよ。知らなければ何をしてもよいのですか」
「いや、そんなことはない。人間も狸も同じことだ。・・・ただ本当に知らなかったのだ。だからあんたはそれを報せるため、棲家を取られたことを悔やんで仕返しに来たのだろう」
「そうです。ある時は老婆に化け、ある時は子供に化け、男に化け、赤ん坊に化け、女に化け、復讐しているのです」
「あんたはそうやって霊山寺に関わっている人たちをみんな懲らしめるつもりなのかい?」
「そうです。私たちの怒りはこれぐらいじゃ済まない。私たちがやられたように、その苦しみを味合わせるために来たのです」
「おお、おおう・・・。哀れよのう、哀れよのう・・・」
突然泣き出した与作を見て、お絹は、いや狸は吃驚した。
「なにを泣いている。いまさら泣いたところで元には戻らぬ。いや、また棲家を見つけることなど、私たちにだって容易いこと。しかし何も知らずに、ぬくぬくと生活している人間を見ると悔しい。そうして有り難そうに多宝塔などを作っている。さも己が虫も殺したこともないような顔をして・・・。
悔しいではないか。なにを泣いている? 泣けばその罪が消えるとでも思っているのか」
「いやいや、そうではない。知らなかったこととはいえ、自分たちが犯してしまった罪は罪じゃ。ただただ申し訳なくてのう。確かにわしたちは虫をも殺したこともないような顔つきで仕事しておったかも知れん。いや、そうだったろう。私たちは尊いことをしているのだと尊大になっていた。有頂天になって、ついぞ周りを見ることを忘れていた。なんということをしてしまったのだろう。本当に申し訳ないことをした。
わしはその罪から決して逃げることはしない。どうか、この家を思う存分に焼いてくれ。焼き尽くしてくれ。その代わりお願いがあるんじゃ。この阿弥陀さんだけはどうか助けてはくれまいか。この阿弥陀様はわしの宝じゃ。生命じゃ。だからどうか、この阿弥陀様だけは助けて欲しい。そうして、どうかわしの家を焼いたら山へ帰って欲しい。どうかもう、わしだけで勘弁して欲しい」
「なんて、自分勝手な! これだから人間は醜いのだ。我だけで生きている。自分だけで済ませて欲しいだと。それで己が罪を償うつもりなのか。自己犠牲でこの村を助けたという優越感に浸かるつもりなのか。その阿弥陀様もおまえのような人間が作ろうとしている多宝塔も、霊山寺もすべて焼き尽くしてえる! 」
「どうか、どうかそれだけは・・・。わしはどう思われても構わぬ。ただ、あんたたちが可哀想で」
「可哀想? 今度は同情か! 」
「そう思われてもしかたない。しかしこれはわしの本心だ。真実だ。いつまでたっても、どれだけ人間の家を焼いても、おそらくあんたの怒りは消えないだろう。それはわしの阿弥陀様を焼いても、多宝塔を焼いても、霊山寺を焼いても同じことだ。ただものはなくなり、憎む対象がなくなったとしても、あんたの怒りは消えず、狂い、そうして死んでゆくだろう。わしはあんたたちにそんな思いはして欲しくないのだ。人間を嫌い、人間を貶し、嘲笑し、そして悪と思う。寺や仏像を悪の根源とみなし、仏までをも呪う。そんな思いなどして欲しくないのだ。所詮は綺麗ごとなのかもしれん。しかし、もうそんなことは忘れて、幸せになって欲しいのだ」
「忘れる? この私たちの憎しみを忘れろと? 」
「そうだ。‘忘れる‘という寛大な仏の心でどうか接して欲しい。わしたちもこれに懲りて、人間同士だけでなく、生きとし生けるもの、花や草、木や水、動物といったあらゆるすべてのものに目を向け、決して同じような罪を犯さないことを誓おう」
「人間なんぞが言う誓いを信じろと? 人間はすぐ言葉で反論しようとする。巧みな話術で。しかし私たちには通用せぬ! 」
「違う。これは巧みな話術なのではない。懺悔の言葉です」

 冷たい風が吹く中、何も言わずただお互いの目をじっと見ていた二人は、一体どのくらいの時が経ったのだろう、ふと、
「分かった。確かに私たちもこの悔しいという気持ちだけで生きてゆこうとは思わない。言う通りにしよう。しかし、もしこのようなことが万が一起こったならばその時こそ、容赦はしない。この世界を人間だけのものと勘違いするな。私たち動物たちの世界でもあるのだ。そのことをよく、みなに伝えておくのだな」
お絹はそう言い終えると、みるみる内に狸の、元の姿へと変身し、すっと去っていってしまった。与作は茫然とその姿を見送っていた。

 翌朝、与作は日が昇るのと同時に急いで一番さんへと向かった。
住職に昨日のことの次第を喋ると、
「なるほどのう、それで、そのお絹という狸は家も焼かずに立ち去ったのじゃな。ほう、そりゃ良かった。きっと与作どんの真心が冷え切って人間を信じられなくなった心に深く染みたのだろうよ。狸には一目でおぬしにすべてを告白するつもりでおったのだろう。しかし、あんな大木の下に棲家があったとは。わしも知らなんだ。その家族にはいけないことをしたのう。おそらく雨の降る日も雪の降る日も、そうして風の強い日もあの大きな木に守られて暮らしておったのだろうな。それがなくなったせいで、怒り、自分たちの存在をも知ろうとしない人間たちに復讐するため、火を付け回っておったのじゃな。いやいや、このまま知らずにいたら我々はとんだものを作りあげるところじゃった。善いものも悪くなってしまう。これに懲りて、我々も視野を広げねばならんのう。それにしても与作どんの家が焼かれなかったのは、紛れもなく阿弥陀様が助けてくれたからじゃ」
「はい、有り難いことで・・・」

 住職は狸が与作の純真な心に、自分ではなく相手を思う真実の心に動かされて、その涙の交渉を承諾してくれたのだろうと思った。
 しかし、このままではいかんと、その狸たちの棲家を村の祠(ほこら)の後ろに作ってやり、お大師様の火災除けのうたをお札にし、各家にお祀りした。
「これで狸たちもねぐらができてほっとしたろう。今回、家が焼けただけで、死人が出なかったことに感謝して、この有り難いお大師様の火災除けのうたのお札に手を合わせねばのう。
 これからは自然にも目を向け、己だけでなくすべてのものに心をもって動かねばならん。懺悔し、感謝し、有り難く思うようになれば狸たちもいずれは許してくれよう」

住職は村人全員に言い、以来この村では火事というものがなくなり、みな平和に暮らせるようになった。その内に立派な多宝塔も無事建てられ、誰もが寺へ行き、手を合わせるようになった。






お粗末様でした。
二十歳くらいに書いたものかな。すごく読みづらくて、面白みのないものですが、読んで頂いた方へ感謝します^^

さて、霊山寺について。多少触れておきます。
四国霊場第一番。お遍路さんはここから出発します。
昔話の言い伝えで、お大師様の火災除けの札というのが本当にあります。
昔、狸がいたづらで家々に火付けしていた。そこで火災除けの札を貼ったら起こらなくなったというもの。以来、霊山寺では火災除けの寺としても有名になりました。もちろん、今でもお札を求める人が多いようです。


有り難うございました。
気が向いたら、第二番さんのお話も考えたいと思います^^




テーマ : 小説    ジャンル : 小説・文学
 2019_12_26



昔書いた小説を載せてみる。
気が向いた方はよかったらどうぞ。

うちは真言宗の寺なのですが。
小さい頃から四国遍路に行っておりまして。
88か所あります。
その中から第一番霊場である霊山寺を題材にした小説です。
昔話風にしてみましたが、なにせ拙いものなので。それでもよろしければ。







    一番 霊山寺



 与作は毎朝、阿弥陀様に手を合わせることを怠らない。表の井戸でよく顔を洗い、山間から昇ってくるお日さまに手を合わし、そうして阿弥陀様に手を合わせる。
 与作の阿弥陀様はたいそうなものではない。自分で木を削って作りあげたのだ。顔がのっぺりとしていて凹凸がない。どこが目で、どこが鼻かも分からないほどだ。しかし与作は誠心誠意込めて作りあげた阿弥陀様に毎日拝んでいる。村のものたちはその阿弥陀様を陰ではのっぺら阿弥陀さんと言っている。
 ある村人は与作におい、与作どん、おまえの阿弥陀さんはまずくはないかい。普通阿弥陀様っていったら、もっとこう、綺麗なお姿ですらりとした仏様だろうよ。ところがおまえが作ったというその阿弥陀様はそうじゃねえ。それじゃ、仏さんも怒っちまうよ。
 またある村人は、奇妙な顔だねえ。とうていおいらにゃ拝むどころか手を合わせるのもいやだね。尊いお姿をしているからこそ、みんな有り難くって手を合わせるものなんだ。これじゃ、ただの彫り物だよ、まったく。どうかしてるよ。これじゃ、阿弥陀様がお可哀想だよ。彫るなら彫るでもっとお綺麗に彫って差し上げなきゃいけねえだろう。だからいい歳こいても嫁が来ねえんだよ、と言う。
 
 しかし与作は何を言われようと反論しない。ただじっと黙って聞くだけだ。どんなことにでも頷きもしなければ腹も立てない。そう思いたきゃそう思えばいいという態度で聞いている。
 その内に、与作にいくら言っても何の改心もないと村人たちは阿弥陀様のことについては何も言わなくなった。

 与作の阿弥陀様は霊山寺の境内の一本の木から作った。それはたいそう大きな木で、与作は一目見た時からその木で阿弥陀様を作りたいと思った。そこで何度も何度も住職にお願いし、しかし、この木は見ての通り大木じゃ。これを切り倒すわけにはいかん。よいのです。枝一本でもよいのです。小枝でもいい。この木から私は阿弥陀様を作りたいのです。どうかお願いです。私に少しばかり分けて下さい。
 与作の何度もの懇願にさすがの住職も折れ、ならばこの部分をあなたに差し上げようと、大きな太い枝を切り、与作にあげた。与作は何度もお礼を言い、さっそく彫り始めた。手にいくつも傷をつけながらも、与作は一生懸命に阿弥陀様を彫った。そうして十日目、出来上がった阿弥陀様を懐に大事に抱えながら、住職のところへ行き、有り難い経を唱えてもらい、仏に芯を入れてもらったのだ。だから村人に何を言われようと、うちの阿弥陀様は素晴らしいと自負している。

 「与作どん、これから一番さんかい。大変なこったね」
「いやいや、多宝塔を建てるお手伝いをさせて頂くのだから、有り難いことよ」
霊山寺に行く途中、村人に声をかけられた与作はそう言うと、急いで寺へと向かう。住職の提案でこの霊山寺の境内に多宝塔を建立することになり、与作を含め何十人かの大工らがその仕事をすることになったのだ。
 「与作どん、頑張って下され」
「はい」
住職に励まされ、大きく返事した与作は他の大工と共に村の小さな洞(ほこら)の横にある、大きな立派な欅の木を切り倒しに出かけた。こんな立派な大木で作るんじゃ。有り難いことだ。与作は喜びで震える気持ちを胸に、この有り難い仕事に誇りをもってかかろうと意思を改たに立ち向かった。
 
 さて、大木の切り倒しに成功した大工たちは力を合わせ霊山寺へと運ぶ。与作も一緒に運ぼうとしたが、ふと欅の大木があった下に洞穴らしきものを見つけた。なんだろうか、ちょっと首を傾けてはみたものの、どのくらいの深さかも分からず、何しろこの切り倒した大木を寺まで運んでいかねばならぬという有り難い仕事があるため、それほど気にせずに、よいせと大木を持ち、懸命に運んで行った。

 欅の大木を切り倒してから一週間経ち、少しづづではあるが多宝塔も作られていった。与作はまめだらけで握ることもできない、ぼろぼろで醜い掌を見てみた。少しでも握ろうと指先を動かしてみると、痺れて痛い。しかし、決して辛くはない。嬉しい痛みなのだ。
 与作はその浮腫んだ両の掌を合わせ、目を軽く閉じ、霊山寺に向かって拝む。今日も善いお仕事をさせて頂いて、明日も宜しくお願いしますと心の中で呟き、ふと目を開けると向こうの方で何やら赤いものがちらちらするのを見た。
 おや、なんだろう。こんな夜に。

 与作は気になって外に出て目を凝らしてみて、驚愕した。なんてことだ、火事だったのである。与作はすぐさまその家に駆け付け、もうすでに火事に気付き、駆け付けたものたちと一緒に火を消す手伝いに加わった。
 しばらくして漸く火が消え、ほっとはしたものの、その焼け跡は酷くほとんど燃え尽くされてしまった。主の弥助は与作と同じように霊山寺で仕事をしている仲間である。
「これはいったいどうしたんだね?」
与作は座り込んで茫然としている弥助に静かに語りかけた。
その声にはっと我に返った弥助は、途切れ途切れに訴えるように喋り出した。
「どうしたもこうしたもねえ・・・。仕事終わって帰ってきて、しばらくしたら年取った婆さんが来てな。今晩泊まるところがない・・から、泊めてくれと言われてな、わしゃ、可哀想に思えてな、その婆さんを泊めることにしたんだが・・・。
しょんべんするんでちょっと起き上がってみたら、婆さんの姿がねえ。あれ、どうしたんだろうと思っていたら、なにやら焦げ臭い臭いがしてな、気付いたら戸の傍に束ねていた稲が燃えていたんじゃ。わしゃ、急いで消そう、消そうと思ったんじゃが、火のまわりが早くて、こんなになってしもうた。
・・・あの婆さんじゃ。あの婆さんが火を付けて逃げよったんじゃ・・・」
弥助はおいおい泣きながら、あの婆じゃ、あの婆じゃと譫言のように何度も何度も呟いている。

 婆さんはなんのために火を付けたのか、物取りなのか。
しかしいくら考えても、こうも焼けてしまっては分からない。弥助は悔しそうにいつまでも満天の星空の下で泣き続けていた。

 弥助の火事があってから、不思議なことに火事が引き続き起こるようになった。それもみな、霊山寺の多宝塔を作っているものたちだけの家である。昨日は太郎、その前は彦六、その前は千次。さてさて、これは偶然なのか、それとも因縁なのか。村人たちはこの奇異な現象にただただ戸惑うことしかできなかった。






少し長いので一旦切ります。
続きは明日。

有り難うございました。





テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
 2019_12_25



かなり昔に読んだ小説の感想。
あくまでも個人的感想です。
ネタバレ含んでます。お気をつけ下さい。





   ★被害者は誰?


                作者:貫井 徳郎


○あらすじ
豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか?
犯人が黙秘を貫く中、警察は押収した手記をもとに、被害者の特定を試みるが・・・。
警視庁の桂島刑事から相談される、迷宮入り寸前の難事件の数々。それを解き明かすのは、頭脳も美貌も態度も規格外のミステリー作家・吉祥院慶彦。





ここまで爽快で楽しく読めるミステリーはないかも知れない。
探偵役の吉祥院のキャラは笑える。とにかく頭を使わず、ただ読み進めていくには楽しい。
犯人当てではなく、被害者、目撃者、探偵たちを当てていくという、一風変わったフーダニットもの。謎解きしていくと、意外な方向から罠にはめられていく進み方はさすが貫井氏。
ユニークなキャラと、後味の軽快さ。
ドラマ向きだと思う。
シリーズで続けてもいいと思う。



テーマ : 読書感想    ジャンル : 本・雑誌
 2019_12_24



今日は歌謡曲紹介。

上田正樹さんの名曲「悲しい色やね」







   悲しい色やね


       作詞:康珍化 作曲:林哲司



にじむ街の灯を ふたり見ていた
桟橋に止めた 車にもたれて

泣いたらあかん 泣いたら せつなくなるだけ

Hold me tight 大阪ベイブルース
おれのこと好きか あんた聞くけど
Hold me tight そんなことさえ
わからんようになったんか

大阪の海は 悲しい色やね
さよならをみんな ここに捨てに来るから

夢しかないよな 男やけれど
一度だってあんた 憎めなかった

逃げたらあかん 逃げたら くちびるかんだけど

Hold me tight 大阪ベイブルース
河はいくつも この街流れ
恋や夢のかけら みんな海に流してく

Hold me tight 大阪ベイブルース
今日でふたりは終わりやけれど
Hold me tight あんたあたしの
たったひとつの青春やった

Hold me tight 大阪ベイブルース
今日でふたりは終わりやけれど
Hold me tight あんたあたしの
たったひとつの青春やった






ブルースっていいですよね。

出だしからつかまれる、そんな曲です。

上田さんのハスキーボイスが切なさを増している、色っぽい歌。






テーマ : ☆懐かしい歌、そしてその人☆    ジャンル : 音楽
 2019_12_23



今日は詩です。

昔かいたもの。





   道



とてもとても長い道

まだ先は見えない

暗くて冷たい土を踏み締めながら

一歩一歩進んでゆく

足が痛くても辛くても

止まらず進んでゆく


とてもとても険しい道

まだ道は終わらない

黒くて淀んだ空を仰ぎながら

一歩一歩歩んでゆく

足が重くても冷たくても

休まず歩んでゆく


綺麗な花畑も

小鳥の囀りも

小川の細流(せせらぎ)も

緑豊かな樹木も見ずに

ただ前を見て歩いてゆく

遠い遠い終わりを目指して

まだ見えない道の果てに突き進んでゆく


後ろは振り返らず

横も見ないで

ただ自分の前にある道だけを見つめて





人生とは、短いのか、長いのか。





テーマ :    ジャンル : 小説・文学
 2019_12_22




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Author:toka115507270224
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徒然に徒然なるがままに書き綴っています。主に自作の詩、サザン、役所広司さんやドニー・イェンなどなど。他にも興味があることを気の向くままに語っております。

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