桜桃(自作の詩)


今日は詩の発表会です。
拙いですが^^






   桜桃


親よりも私
友人よりも私
愛する人よりも私
弟よりも私

そう呟きながら
大皿に盛った赤い実を
顰めっ面に口へ運ぶ

同じ言葉を繰り返しながら

己に正直に生きること
簡単で一番難しい

赤い実の酸っぱさに
より一層皴を寄せて
ただ呪文のように呟く

親よりも私






お気づきになられた方もいるかと思いますが。
この詩は私の尊敬する太宰治の小説からとっています。

「桜桃」という作品があります。
内容もほとんど同じで、太宰は「こどもよりも親が大事、と思いたい」と作中で呟いています。
桜桃を食べながら。

桜桃というのはいわゆるさくらんぼのこと。
桜の桃とはいかにも風流な日本人好みの当て字ですね。
この作品が影響して、太宰の回忌には、今でも桜桃忌と言ったりします。

間違ってはいけないのは、決して子供よりも親である自分が一番大切なんだ、と思っていると解釈してしまうこと。
まったくそう思ってはいないからこその言葉であることを勘違いしてしまうと、ただのエゴの言葉と化してしまう。

この短編小説に感銘を受けて、少し言葉を変えて作ったこの詩も言葉通りではないことを強調しておきたいと思います。

自分は弱い。本当は自分のことを第一に考えたい。好きな仕事をしたい。
でも家族のために我慢している現実。
好きなことだけをして暮らせることなんて到底叶わない、そんな日々の中で時には自分が思うがままの生活が送れたらと苦しくなる時があります。

でも、結局は自分のことよりも親が大事だから色々と諦めてきた過去がある。
それを怨む気持ちはないけれど。

弱いからこその言葉。
心の内側。




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テーマ :    ジャンル : 小説・文学
 2020_05_14


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徒然に徒然なるがままに書き綴っています。主に自作の詩、サザン、役所広司さんやドニー・イェンなどなど。他にも興味があることを気の向くままに語っております。

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